トレーニングとピアノと野生の雄鹿

皆さんは普段どの様なイメージを持ってトレーニングマシーンを操作されていますでしょうか?

解剖学的、または、メカニカルなアプローチも勿論大切ですが、イメージや感覚(感性)を働かせてトレーニングをして頂く事もとても大切だと思います。

先日、ジムでBGMをかける為に使うスピーカーの事が知りたくてオーディオ関係のYouTubeを見ていたのですが、たまたま見ていた番組に出演されていたプロの女性ピアニストの方が次の様な事を話されていました。

『ピアノは減衰楽器と言う区分に分類される楽器です。鍵盤をタッチした瞬間が音が最も大きく、時間の経過と共に音が小さく成り消えて行く事が特徴の楽器です』

ピアノの事は全くの素人で何も分からない私ですが、鍵盤への繊細なタッチの仕方がその後の美しい音の消え方を決めていると言う意味の事を言われているのでしょうか?

4Dモーショントレーニングマシーンの他のマシーンにはない特徴の一つは、動作初期から終盤に架けてマシーンの負荷が漸減(徐々に少なく成る)し動作の終わりにゼロに成る事です。

ピアノと4Dモーショントレーニングマシーン、何か似ていませんか?

ピアノを弾く様な動作が有るとしたらどの様な動作でしょうか?

実はその様な動作を目の当たりにした経験が有ります。

十年以上前に成りますでしょうか、晩秋の夜のビーナスラインを一人でドライブしていた時、一匹の野生の雄鹿と道路上で出くわした事が有りました。この地方では良く有る事です。

速度を緩め窓を開け近くで車を止めると、雄鹿は慌てる様子もなくこちらを見ていたのですが、暫くすると道路(二車線道路)の中央付近から助走も付けずに人間の大人の背の高さ程も飛んでガードレールを超え、夜中の何も見えない崖下へ消えて行きました。

車の往来もなく静かな山中でしたがアスファルトを蹴ってジャンプする音も崖下に着地する音も私には全く聞こえませんでした。

あれだけ大きくジャンプしたのに…

ピアニストがピアノの鍵盤を繊細にタッチするかの様にアスファルトを蹴って…

暫くの間余韻に浸ってしまい車を動かす事が出来なく成ってしまう程の完璧で美しい動作でした。

ピアノを弾く様に動作出来たなら…

トレーニングに於いてはイメージ、更に付け加えさせて頂きますとリズム感等の感覚的要素(感性)を働かせてトレーニングをして頂く事もとても大切だと思います。

今回は何時もの理詰めとは違った観点からトレーニングへアプローチして見ました。今後のトレーニング取り組みのヒントにして頂く事が出来ましたら幸いです。