末端(手首)と体幹(肩甲骨)の連動性 1

以前、体幹の関節の動きを最大限に引き出す為には手足等末端に如何に余分な仕事、出力をさせないかが一つの鍵に成るとお伝え致しました。

今回は更に一歩踏み込みまして手首の具体的な扱い方を例にご説明させて頂きたいと思います。

 

上肢系のマシーンを扱ったトレーニングで、マシーンやトレーニングにも慣れ、肩甲骨や鎖骨の動き、可動域を更に求めて頂く段階では身体(体幹)とマシーンのハンドルとの距離を大きく離して動作して頂きます。(詳細はトレーナー相星より指導をお受け下さい)

身体とハンドルの距離を大きく取る事と同時に大切にして頂きたい事が有ります。それは手首の使い方です。

上肢系のマシーンを扱って頂く場合、手首を背屈(手の甲側へ曲げる)させながら橈屈(親指側へ曲げる)させます。尺屈(小指側へ曲げる)させる動きや掌屈(掌側へ曲げる)させる動きが入りますと、肩が上がって首が緊張し、肩甲骨や鎖骨の動きを制限してしまいます。

スポーツ競技動作を洗練させたり改善して頂く場合、反射機能を改善したり高めて頂く本施設のトレーニングの考え方や方向性としては、改善したい動作自体は勿論ですが、動作の手前のバランスやポジショニング、またはフォーム等を見直して頂く事が非常に重要に成ります

野球の佐々木朗希選手の投球動作で腕を振る前の肘が高く上がった状態(本施設のトレーニングの場面で当てはめますと、ディッピングマシーン等で肘を下から持ち上げてもらっている様な状態)、バトミントンの桃田賢斗選手のラケットを振る前の胸を張り肘が下に下がって脇に近付いた様な状態(本施設のトレーニング場面で当てはめますとラットプルやアッパーモーションマシーンのハンドルを引き下ろし胸が張られた様な状態)等で見られます様に高いパフォーマンスを発揮する選手は肩甲骨や鎖骨の動きを最大限に引き出す為に、腕を振る前にボールやラケットを持った手の手首を背屈させながら橈屈させています(野球やバトミントン以外の競技でも応用して頂けるかと思います)。

日常生活では、パソコン操作で首や肩が凝ったり張ったりする方は、トレーニングと同様姿勢に注意すると共に手首の使い方にも注意して頂けますと張りや凝りを軽減して頂けるかと思います。

パソコン操作中、手首を橈屈させ、尺屈させない様、マウスの置き場所やタイピングでどの指でどのキーを操作するか工夫してみて下さい。脇は閉めずに多少開け、肘は上げずに多少下に垂らす様にする事もポイントです。

 

以上トレーニングを日常生活やスポーツ競技動作に生かす為のヒントに少しでもして頂けたらと思います。