頭部の位置変化による首のストレスと肩関節(肩甲帯)の動きとの関連から来る上体の扱い方

以前、大きな力を発揮する為の動作では重心移動を先行させる必要が有るとお伝え致しました。

実際、本施設でのトレーニングも前方や側方へ身体を傾けながら重心を移動してハンドルやペダル操作をして頂くトレーニング種目が殆どです。

重心の移動を先行して頂く中でご注意して頂かなければならない重要なポイントが御座います。

それは頭の動きです。

頭部の重量は成人で有れば体重の10パーセント(一般の成人女性でも5キロのお米の袋と同じかそれ以上)程度と言われています。

頭部が前後、左右に動き首が傾いたり動いた時の首の筋肉のストレスの大きさをご想像して頂けるかと思います。

肩甲骨に付着していたり、その動きに直接関係している筋肉は17種類とも言われていますが、首から走行していたり、頭部の位置変化により緊張したりストレスを受けて肩甲骨の動きを阻害する筋肉も多い為(具体的な筋肉名や個々のメカニズムについてお知りに成りたい方はトレーナーへお尋ね下さい)、首のストレスが最も少ない正しい姿勢の頭部の位置から頭の位置を出来るだけ動かさない(主に前に落としたり、中央から左右に移動させない)で首を如何にリラックスさせられるかが肩甲骨の動きを最大限に引き出す為の一つの鍵に成ります。

 

①前傾姿勢を取ったり、前方斜め下方向へ重心移動する場合は基本姿勢の鉛直線上に揃えた耳、肩、股関節のラインの軸をリラックス出来る範囲で崩さない様にし前傾します(斜めにした軸より耳の位置を下に落としたり背中や腰を丸くしたり反ったりしない)。(陸上のスプリント競技や球技の速く走る局面、スノーボード競技、レスリング等の実動作に繋がります)

②左右へ上体を傾けて重心を移動する場合は基本姿勢を押えつつ、前方から見て両肩を結ぶラインと頭部の中心のラインや頸椎との角度をリラックス出来る範囲で90度に保って動作します(頭を左右に振らない)。(野球の投球、バレーボールのスパイク、ボクシングのパンチ、格闘技のキック等の実動作に繋がります)

 

*首の張りや凝りをトレーニングで改善して頂く上でも、頭部を前後左右に動かして、首を動かし首の筋肉を伸ばす方法は有効では有りません。

頭部を正しい位置に保ち、首を動かさずにリラックスさせ、肩甲骨や鎖骨側を動かして首の筋肉を伸縮させて頂く事が有効な方法に成ります(詳細はトレーナーへお尋ね下さい)。